はじめまして! 或いは、こんにちは。赤い電動車椅子の詩人ミカヅキカゲリです。
第一歌集『中指いっぽんのうた』のランダム10選。
おとうとの指があばらを辿っては「痩せたか、」を問う身を竦ませる
亡きひとがいつも云ってたわたしには「鉱脈がある、何かを為せる」
もうずっといのちの電話は話し中おそらくだけど5人は死んだ
夜のまちをスーパーを目指しすすむとき、ガソリンスタンド火薬のにおい。
足掻いてもどうにもならない障害を氷砂糖と名づけて眺む
わたしから喪われてく社会性 でもだいじょうぶ 爪は切ってる
羽のなき扇風機みたくぼくたちは理屈わからずいまを生きおり
おとうとが死体みたいに投げ出した昼寝の両の弱きあなうら
夕焼けと柱時計が刻む刻(とき) ピンクの象のおくすり手帳
〈やさしい〉と〈かなしい〉何処か似通って夕餉の支度 茄子味噌だとか