王女のうた
王女のうた
ミカヅキカゲリ
ちいさな頃、
わたしは自分を王女さまだと思っていた
雲のうえにある魔法の王国トゥルプティーのさみしい王女さま
それはおそらく
自分が感じてしまう ひとや世界との〈隔たり〉を
わたしなりに正当化するための
ひとりきりの〈儀式〉のようなものだった
そんな気がしている
わたしはさみしい王女さまなのだから
だから
だいじょうぶ
云い聞かせるようにして
毅然と振る舞った
子ども時代 学生時代 舞台女優時代
やがて それには
発達障害と云うもっと正当な理由がついたが
わたしはいまだに
自分がさみしい王女さまなのだと云う気がしている
2020-05-14
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