まき子が好き、その後ミカヅキカゲリ
もうずっと昔に辞めてしまった介助者に
もうずっと片恋をしている
辞める前にそれとなく想いをくちにしたこともあったのだけれど
「もしもほんとうだとしたら、迷惑千万な話」
と――たぶん釘を差されたのだと思う、云われちゃったから
もうどうしようもなく
秘めやかな片恋でとても二度と口にはできそうにもない
彼女に電話をかけた
出て呉れないんぢゃないか、と――……
だけど、出て呉れた
ぽつりぽつり、と
話をした
けれど言葉を発そうとするたび
泣いちゃいそうで
泣いちゃいそうで
けれど
勇気を振り絞った
「もし善かったら またいつか逢えませんか?」
棒読みすぎたーーーーー!
棒読みだったけど
OKして呉れた
「いいですよー あたたかくなって桜が咲くころになったら花見でも行きましょう」
あたたかくなって桜が咲くころになったら花見でも行きましょう
あたたかくなって桜が咲くころになったら花見でも行きましょう
あたたかくなって桜が咲くころになったら花見でも行きましょう
…………
しあわせのリフレインがとまらない!
あたたかくなって桜が咲くころになるまでは
生きようと誓った
……
そして
どんなに世界が毀れかけていても
季節は巡り
春が来た
わたしはまき子に逢えた
まき子に逢えた
まき子に逢えた